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ルワンダ青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です。
ルワンダに来てちょうど半年、任期の1/4が終わろうとしています。
次の半年では、新しいプロジェクトを始めることにしました(と言っても個人活動に過ぎません。かっこつけてるだけ)。
名づけて「1,000の家庭調査プロジェクト」。
そしてその調査結果の発信方法として、さらには協力隊活動の証として、ムービーを作るつもりです。もちろんただの啓発動画ではなく、鳥肌が立つぐらいお洒落で、泣けるぐらい感動するやつです。
とりあえずこの思いつきの内容や目的、背景について整理しておきます。
「1,000の家庭調査プロジェクト」とは?
その名の通り、ぼくの任地ムシャセクターの家を1,000軒まわって、水や衛生に関する状況を調査するというものです。
調査項目は、
・どうやって飲み水を手に入れているか(公共水栓、雨水、湧き水、自宅水道)
・月にいくら水代がかかっているか
・1日にどれくらいの量の水を使っているか
・どうやって火を起こしているか(薪、炭、ガス)
・月にいくら薪・炭・ガス代がかかっているか
・月の収入はいくらか
など。
調査軒数を1,000にしたのは、これがセクター内戸数の1/5にあたるからです。5人に1人の状況が分かっていれば「知っている」と言ってもいいかなと。あと、キリもいいし。
半年間で1,000軒まわるとしたら、単純計算で1日6軒まわらないといけません。
でも、多少大変だなと思うぐらいやらなきゃ並の成果しか出ないと思うので、ちょっとがんばってみます。
なぜ調査するのか?
「数」を知る
ルワンダに来て半年が経ち、この村の問題点について改めて考えてみました。
水がないとか、お金がないっていうのはもちろん分かっていたんですが、じゃあ一体どのくらいの量の水を使っているのか、その水代がいくらなのか、収入がいくらあるのか、と考えてみると、知らなかったんです。
これってぼくの前職である営業の仕事に置き換えると、「得意先の売上が悪いことは知ってるよ。じゃあ、そもそも売上がいくらあるのか、どのくらい利益が出ているのかって?そんなこと知らねーよ」と言っているようなものですよね。
そんなことも知らずに、なんとなく考えた企画を提案したところで採用されるわけがありません。
だからまずこの半年で「数」を知って、残りの一年に備えようと思います。
「人」を知る
「数」よりももっと大事なのが「人」です。
この調査の最終目的は「問題」を把握することですが、「問題がある」を言い換えると「誰かが 何かに 困っている」という状況だと思います。
だから定量的な「数」だけを知ったところで、本当の問題は見えてきません。
「人となり」という定性的な部分を自分の目で確かめることで、この村の問題について考えていきます。
そこまで知ることが出来なければ、問題の解決方法を提案しても、住民に「あいつが言うんなら言う通りにやってみるか」とは思ってもらえないはずです。
「問題」を知る
「数」と「人」を知ることで、「問題」が見えてきます。
協力隊に参加した動機のひとつが、この「問題」を発見することでした。
世間一般的な社会問題ではありません。
それを自分が解決したいと突き動かされるような問題で、自分が24時間365日その解決方法について考えていられるようなことです。
そしてその問題の解決を、自分の仕事として、生涯向き合っていきたいと思っていました。
協力隊に参加したのは、途上国で暮らせばイヤでもこの問題に直面するだろうと思ったからです。人の生死に関わることや、自分が「なんとかしなきゃ」と思うようなことに。
でも、実際は違いました。
幸いにも誰かが死ぬような場面にはまだ出くわしていないし、村の人たちは多少の不便はあれど幸せそうに暮らしています。
ただ途上国で暮らすだけじゃ「自分の問題」は発見できない、というのがこの半年のささやかな発見です。
もう一歩踏み込んで、文字通りズカズカ住民の家に入って行くぐらいのつきあい方をしなきゃいけないなと思っています。
専門性を身につける
もしかしたら、1,000軒調査したところで、「自分の問題」は見つからないかもしれません。
でも、いまいちばんぼくが欲しているものは手に入るはず。それが「専門性」です。
1,000軒調査したら、間違いなく「ムシャセクターの家庭における水問題」については世界一詳しくなります。
もっと範囲を広げれば、ルワンダ国内、さらにはアフリカ全土で見ても上位1%には入るはず。100人に1人くらいの人材にはなれるかなと。
協力隊が終わったら、自分で自分の仕事をつくり出していきたいと思っていますが、そのためには専門性が不可欠です。
でも、いまのぼくには、何かの分野でプロとして仕事を任せてもらえるほどの専門性は何もありません。
だから、せめて1つぐらいは「誰よりも詳しい」と自信を持って言えるものが欲しいんです。
ただ、ぶっちゃけた話、水にも衛生にもそんなに興味はありません。
たまたま協力隊の数ある仕事のなかでそれを割り振られただけ。「水問題を生涯の仕事にしていけるか?」と言われても、「うーん」と考えてしまいます。
でも、いま自分が暮らしている地域で、水の問題で困っている人たちが沢山いるなら、その問題を知って、一緒に解決していきたい、とは思います。
自分で選んだわけじゃなくても、いまは好きじゃなくても、役割を与えられた以上はやれるだけやってみようと思っています。
もしかしたら、その過程でそれを一生の仕事にしていきたいと思うかもしれませんし。
何がやりたいかなんて簡単に分かるはずもないんだから、とにかく手持ちのカードであがいてみるしかないかなと。
「水・衛生」分野以外にも100人に1人のスキルを身につけて100×100= 1万人に1人の人材に、さらにもう1つ掛けあわせて100万人に1人の人材になれるように、情報発信やコーディネート力など得意分野を磨いていきます。
成果は台帳とムービーに記録!
1,000軒調査した暁には、作りたいものが2つあります。
1つは「住民衛生台帳」。せっかく調査したのに記録に残しておかないと勿体無いですからね。
でも、それだけじゃ面白くありません。
そこで2つ目。
ムービーを作ります。
名づけて “1,000 Hills, 1,000 Smiles”。
各家庭の水の使用状況や衛生状態などの情報に加えて、1,000家族分の笑顔の写真を繋げて1つのムービーにしちゃおうと(ルワンダは「千の丘の国」と呼ばれているので”1,000 hills”)。
BGMはもちろん高橋優の『福笑い』です。
仕上がりを想像しただけで泣けそうですねー。
観て面白いものにした方が沢山の人にルワンダの現状を知ってもらえるし、自分の2年間の活動の証にもなるかなと。
この半年もワクワクしながらやっていきます!
【追記】
初日はこんな感じでした↓
新プロジェクト「1000smiles」!発見が盛りだくさんの1日目!
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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